威風堂々・・とか?
2008-07-01
新規開設致しました!!くどくどご挨拶は抜きにして、これから宜しくお願い致します~♪
と、言う事で記念?すべき一発目の記事っ!!!
犬自慢!自分自慢!さ♪
小説でなくてゴメン。
威風堂々・・・
うちのワンコの犬種が評価される言葉の一つである。
犬を飼うつもりなんて全然なかったのに、”素人が飼うには難しいと言われている犬”を縁あって初めて飼ってしまった素人オーナーは素人なりに健康管理、運動管理に励もうと同犬種の犬仲間を作るために展覧会の世界に飛び込んだ。
しかし、そこはオヤジたちの未知の世界だった。
一般的な飼い主の声とその世界で聞く声、両方から判断するに互いに大きな誤解を持ち合っていた。実に面食らった。
一言、いいたかった。
誰も犬の優劣で卑下なぞしとらんので、一部の家庭犬のオーナーさんたち、勝手に壁を作ってくれるな。壁を感じたなら飛び越えてきてくれ。
そして犬命のおやじさんたち、ちょっとでいいからにっこりとしてやってくれ。
・・・・と、その変のくだりはご要望があればするとして、とにかく素人オーナーはその中で頑張った。何くそ負けるもんかと自分の為に犬の為にと頑張った。
犬の健康管理と運動管理を・・・。それが健康維持にも繋がる事と信じて・・・。うん、実際には役だったんだけどね。それ以外の情報の方が多かったね・・・・・(^^;)
自分の犬がショー・タイプたったんだって事もそこで知った。
でも、そんなもんは人間の勝手な嗜好による判別で当の犬には全然関係ない事だと思うんだけどね。
そこで得た情報は運動管理による骨格構成とかいろいろと役立つ事もあって、マナーとかも・・・うん、本当に色々な面で役だったよ。いろんな方の手助けで繁殖も経験したし。純血腫とは何ぞや?と言う事も理解したさ。オーナー・ハンドリングで母娘犬とも全クラス頭もとった。
すると欲が出る。今度は最良、最高の犬を自分の手で作り出したい。
純血腫を作る上で良い犬の条件・・・それは見た目とかばかりじゃない、確かにそれは純血腫の標準としては大切だけど、でもやっぱり一番は何よりも健康であるべきだし、遺伝性疾患など以ての外だ。と自分は思っている。しかし、純血腫ならではの、おやくそく事のように時を経て知ったうちの犬は最弱だった・・・・(^^;)
葛藤の中全てを諦めた。第一、道楽やってられる身分じゃない。
それでもたまに写真をひっぱり出しては思い出にひたる。
写真の立ち姿を見つめる毎に思う。
【威風堂々】
こうでありたい・・・・・。

でも、普段はこうなんだよなぁ~♪

犬に飼い主が噛み殺された!と言う事件のニュースをよく耳にするけれども、どういった背景が犬にあったのか?と言うのを教えて欲しい。
昔からやれ秋田が噛んだ土佐犬が噛んだ、紀州が噛んだ、とまるで日本犬は獰猛である。と言う誤解を与えかねないのは困る。
飼育を間違えさえしなければ、そんな事には絶対にならないと思うのだ。
生き物を飼うのなら根性を入れて飼えっ!きちんと愛情を与え、運動を怠らずにしっかり管理してくれっ!動物を決して人間の勝手で不幸にはするな。
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闇に棲む猫(オリジナル版)
2008-07-01
「もう手の尽くしようがありません。」医者が言った。
ここは動物病院の診察室だ。この場にいるのは男、獣医師・・・、そして診察台の上に一匹のやせこけた黒ネコが力無く横たわっている。男が家族のように大事にしている愛猫・クロだ。
目の前にはバリウムの流れを時間経過毎に投影したフィルムが何枚も並べられていた。
何れの写真も消化を示す白く浮き上がったバリウムの影は一行に進んでいない。
つまりそれは腸のある部分に出来た腫瘍が腸管を圧迫して消化の邪魔をしているのであろう事を示している。獣医師がそう説明をする。
食べた物が通過しない為に生命維持に必要なだけの栄養を摂取する事が出来ない。あちこちに転移した腫瘍にもう幾度と無く手術を繰り返してきた。既にクロの体力は限界だった。前回、次はないかも知れない。と宣告されていた。判断が男に委ねられる。
最後の最後まで諦めずに手術をするか、これが寿命と諦めてあとは自然に任せるのか・・・・。
ゆっくりと考える時間の余裕などない。これまで幾度となく耐え抜き戦ってきた小さなクロの身体を前に決断を迫られる。
「これ以上はもう・・・・。」
男が声をだした。苦渋の決断である。
積極的な治療の断念。それは緩やかにでもやってくる確実な死を意味していた。しかし、手術で生き延びる確立は極めて低い。そのまま眠りから醒めない可能性の方が高かった。そして獣医師の説明する予後の寿命も決して長いものではなかった。
男はせめて、残りわずかでも一緒にいられる事を望んだのだ。
しかし、それは考えたよりもきつかった。食べられないクロは目に見えて弱っていく。
僅かに残った力を振り絞り男に擦り寄っては甘えてくる。男には何も出来ない。がりがりに痩せた身体を見るのが辛い。
食べられない事が何を意味するのか・・・・・、餓死。
食べたいのに食べられないのか、もう既に食べる力もないので食べられないのか・・・・それは想像出来ない。
苦しんでいる様子はない。ただ穏やかに身を任せて眠っているようにも見える。
しかし、男は分かるはずもないその苦しみを思う。そして願う、十分だから、もう楽になって欲しい・・・と。
それは思いやりか、果たしてエゴか?・・・・男はクロを前に自分自身に問い続ける。
それから暫くしてクロは16年の生涯を閉じた。移動火葬車から天に立ち上る煙に今まで一緒に過ごしてきた日々が頭を駆けめぐる。
小一時間ほどで全てを灰にしてクロは白い骨だけになった。それを一つずつ骨壺へ移していく。
小さな骨壺に納められたクロを部屋の片隅にそっと安置した。
男は泣かなかった。泣けなかった。悲しくて悲しくて仕方がないのに涙が出てこない。
クロは幸せだったのだろうか・・・・?
物言わぬクロを大事にした。大事にしたつもりだった。・・・しかし、言葉を持たぬクロは何も言わない。伝えられない。果たしてそれはクロが望んでいた事だったのだろうか。やがてその考えは一つの疑念に到達する。あの選択は間違っていたのではないか。
「自分がクロを殺したのだ」
悲しみは自責に変わり重く心にのしかかってきた。
楽しかった思い出は悲しいばかりの思い出に変わり、嬉しかった思い出はクロが闘病に苦しんだ毎日の思い出へ姿を変える。
一人残された男に時間だけはいつもと変わらず残酷に流れてゆく。
ある夜、身体が突然に押さえつけられた。それは黒い霧に覆われ定まった形を持たない。時には男の手足を捻り、口を押し開き、食道を通り胃を満たし腸に到達し内部からじわじわと外へ向け膨張する。ちりちりとした痛みに、細胞一つ一つの結合が解かれ千々に裂かれていく様を実感する。心臓が鷲掴みにされ冷たい汗が噴き出す。夜毎に得体の知れない黒い霧は男を苦しめた。やがて日中ですら姿を現すようになったそれに男は憔悴しきっていた。ふらふらと外へ出かける男の足には最早、地を捉えている感覚はない。
なのにその足下に何かの気配を感じる。何か・・・・。何か・・・・。覚えがあるその気配に回らぬ頭で記憶を探った。
時には優しくふんわりと、時には強引に押しつけるように纏わりつく細い尾の感触。頭を押しつけているのであろうか。時折突き上げるような感覚が蘇る。その気配クロだった。身体全体で精一杯の愛情表現を示してくれたクロだった。
クロはあんなにも自分を慕っていてくれたではないか。それを全否定しようとしたなんて・・・・、男の胸にこみ上げてきた思い。それは大粒の涙となって流れ落ちた。男はクロを失ってから初めて涙を流した。胸につかえていたものを全て押し流すかのように涙は溢れ続ける。
黒い霧のような影が消え去っていく。その中に覆い隠されていたように輪郭の不鮮明なクロが姿を現す。
にゃぁお・・・・と男を見つめ嬉しそうに小さく声をあげると天へ向かって消え去った。
オリジナル版をアップ♪
全然ホラーじゃないんですよね。
これを手直しして800字にしました。
まあ、何と申しましょうか、『ペットロス』における負の感情の波です。
【短編】大地のレクイエム 1回
2008-07-02
-・・・・・くる。・・・・・・帰ってくる・・・・・・-
風もないのに木々の梢がざわつく。微かに大地が鳴動する。
空気が変わり、慈愛に満ちる。
険しい森を抜け一人の青年が姿を現した。
その身には重厚な鎧を纏い大降りの剣を携え腕にはいぶし銀のサークルを填めている。
その姿は、誰の目にも明らかな戦人(くさびと)。
いぶし銀の腕のサークルは仮雇いの戦人の証。
越境の地において隣国との長きに渡る戦火(いくさび)が一時休戦となり、全ての戦人に束の間の休暇が与えられたのは数日前だ。
徴兵されていた戦人のそれぞれが、己の故郷を目指し散りに分かれた。
彼も例外なく自分の故郷への途に付いた。
そこかしこに傷を負った身体は、それまでの戦の激しさを物語る。
満足な傷の手当も受けられずに戦い続け疲弊する日々。
故郷を戦火から守る一念のみが、彼を支えてきた。
停戦の知らせと同時に満足な休息も取らずにふらつく足取りで、彼は故郷の村を目指した。
ただひたすらに。
故郷の土地以外に彼を待つ者などいない。
その彼の眼前に懐かしい景色が広がる。
空気が彼を包み込んだ。
深く被った兜が表情を隠すが、その下には疲れ切っているであろう顔。
その口元が微かに上がる。
人里を離れた脇道に入ると、彼の育った小さな小屋がひっそりと立つ。
人気のない筈の小屋の中では小さな炎が、何もない空間から現れた。
まるで、彼を迎えるかのように点在しているランプに次々と明かりが灯る。
戸に手をかけた彼はすぐにそれに気が付いた。
まただ・・・・いつもこうやって俺を迎えてくれる
開かれた部屋の中は、人がいるかのような空気さに満ちていた。
静かに戸を閉めると、深く被っていた兜を脱いだ。
犯罪とか、被害とか・・・?
2008-07-02
この世の中にはありとあらゆる犯罪が溢れている。誰かが加害者になり、誰かが被害者になる。
自分は詐欺の被害者だ。
被害額は1,100万。
つい最近の事だ。実質半年も経っていない。
事が発覚した時、結果的にそうなったんだ・・・諦めろ。と自分に言い聞かせた。
しかし、事実関係が明らかになるにつれ騙すつもりで騙したのだと言う事がわかってきた。
全国に被害者は6000人か、7000人か・・・・・。被害総額は何百億とか聞いた。
それ以上は知ると、心中穏やかでいられないので情報はシャットアウトだ。
その人たちみんなが自分と同じ思いをしている。
騙される奴が悪いと言う。
騙される奴が馬鹿だと言う。
その人たちに何か非があったか?
自分に何か非があったか?
自分でも馬鹿だったと思う。しかし、それを人に言われる覚えはない。
10代の頃から自分の将来の為にならない事をするのは愚かな事だと言い聞かせ自分を押さえてきた。
働き始めてからはこんな世の中だからと先の事を考えてコツコツと地道にまじめに小銭を貯めてきた。
欲しいものがあっても手にする事はなく、生きていくのに不必要なものは全て断ち切り、必要最低限の生活の中で働いてきた。
騙された金額を聞くと、人は
「盗られるほどお金があっていいね。」
「高給取りで羨ましい。」
などと無神経な事を言う。
奴らは自分の楽しみを我慢しない。
好きな事をする為に手元にあるだけの金を使う。
そして貯金がない。とのたまう。
「お前ら、ぶぁかか?」
と言いたい。
この世の中、後ろ盾もない、たかだか高卒の切り捨てられる側の中小企業勤めの人間がどれだけの金が稼げると言うのだ。
有り金全部やられて、こんな世知辛い世の中に取り残されてこの先にどんな希望を見いだせと言うのだろうか。
犬やネコがいなければこのまま死んでしまってもいい。
とはいえ、そん事ばかりに囚われていても仕方がない。
全てを忘れる。
怒りと言う劣情を押さえ込む。
しかし、それらは望むわけではないのに、たまに何かのきっかけで吹き出すのである。
首謀格はいつ罪に問われるんだ?
この世の中は加害者に甘い。
放り込まれてもたかだか数年で出てくる。
その数年でこの劣情を完全に押さえきる事が出来るのだろうか・・・・。
正直、八つ裂きにしてやりたい。
禁欲的に生きてきただけに尚更にその思いは強い。
叩きのめされてやり直せる事の出来る被害者はどれだけいるのだろうか。
いぬやねこが病気になっても、治療費を押さえてくれるようにと頼まざるを得ない。
彼らがいなくなった後、果たして自分は生きているのだろうか?
罪を憎んで人を憎まず・・・と言う。
それを実行出来る人間がどれだけいるのだろうか。
ならば許し切れない、諦めきれない自分の罪も許してくれ。
でも、本当はそんなくだらないことにいつまでも囚われている自分がイヤ・・・。
*********************
なんて事を思ったりしている、今日この頃・・・・・。
で、記事が暗いので(笑)
わんこの写真などをアップしてみます(^^)

七夕のおもいで
2008-07-03
詩的・・・とコメントを頂いたので思い出した事がある。ちょっと前にトラバ・テーマで「七夕の思い出は?」というのがあったと記憶している。
検索かけてまで調べていないのであやふやで申し訳ない(^^;)
・・・・んで、自分の七夕の思い出・・・と言うと、
小学生2年生の時、国語の授業で七夕について作文を書きなさい。という課題が出た。
1枚の原稿用紙を前に悩んだ。
自分は自分の考え方を言葉にしたり文章にするのがひどく苦手な子供だったのである。
授業時間ぎりぎりになってもなかなか原稿用紙のますめが埋まらない・・・どころか白紙である。
どうしよう?
どうしよう?
何を書けばいいんだろう。
必死で考えた。
おり姫、ひこ星、かわいそう・・・。
出だしはこうだ。
・・・出だししか覚えていない(笑)
端的な言葉で綴られたそれは、どういう訳か詩としてローカル新聞に掲載された。
喜んだ(周りが・・・)(笑)
何を勘違いしてか、それからは暫く文才があると周りが勝手に盛り上がっていた。
わたしは文章や詩を書くより、推薦図書なる本を読む方が好きだった。
そもそも詩なんてものをその時初めて知ったような記憶がある。
以後作文や読書感想文を書くたびに非常に苦痛を感じたのは言うまでもない。(・・・と言葉にして言ってみる)
その後、ある事件をきっかけに長きに渡り一切、詩らしいものは書かなくなった。
七夕・・・とくると必ずこれとある事件を思い出す。
実に嬉しくない思い出である。
ある事件は追記に書いておきます。
800字に再度 挑戦!
2008-07-03
800字ホラー、再度挑戦。でも、これで最後・・・・・(^^;)
いやぁ、ホラーってわかんねぇです。
一度ホラーを読む必要があります。自分。
************************************
えくすたしぃ
男は今日もいつもと同じ台の前に腰を下ろす。
何気なく立ち寄ったパチンコ店で台を物色しながら店内を歩いていた男は誘われるように一つの台の前で止まった。
その日男はバカつきをした。
その後何度かその店に足を運んだ男は他の台を試した事もあった。が、他では男の欲求が満たされる事はなかった。
他の台の玉の出が悪いわけではない。
ただ、何かあの時のような手応えを得る事が出来ないのである。
その台は男の大のお気に入りになった。
男はまるで憑かれたようにその台ばかりを選ぶ。
ハンドルを握っているとまるで人の肌に触れているような錯覚に襲われる。
血が通う如き暖かさ、時には指を絡めてくる。
男の血圧は上がり心拍数が増す。
何度もリーチがかかりその都度、空振る。
押しては引き、引いては押す。
それはまるで恋愛毎のように男を虜にする。
男は病み付いたようにその台から離れる事が出来ない。
有り金全部を注ぎ込んで一日中をその台の前で過ごした。
そして閉店時間になると別れがたい恋人にするかのように台に口づけて帰るのである。
ある日訪れた男の顔を見て思わず店員は目を見張った。
目は落ちくぼみ顔色はすこぶる悪い、しかし目だけがギラギラとしている。
いつものように腰を掛け男はコインを投入する。
いつものように・・・・しかし、いつもとは違っていた。
引きがこない。
出っ放しの銀色の玉に男は異常に興奮した。
完璧に自分を受け入れて貰えた喜びの中で血液は逆流し鼓動は強く激しくなった。
血管は一気に膨張した。・・・天にも昇り詰めるかの如くのエクスタシーが男を襲った。
・・・・・男の姿が消えた。
ユーザーのいなくなった台からは銀色の玉だけがいつまでも弾き出され床へと転がり落ちる。
紫煙がくすぶり、感覚をマヒさせる音楽、そして熱狂と興奮に支配された店内の客がその事に気づく事はなかった。
女は何気なく目に付いたパチンコ店に立ち寄る。
引き寄せられるように一つの台の前に腰掛けた。
何かと忙しい・・・・
2008-07-04
思いっきりのたわごと・・・そして内容は犬なのに写真はねこだったりする・・・(笑)*************************
昨日は合間をぬって犬を洗ってあげた。
何と日中の気温が34度だったらしい・・・・。
そんな日に風呂場に閉じ込められて洗われた犬はとても気の毒である。
人間も熱中症手前状態である。人間はこっそりコーラをプシッ♪と飲んだ。
許せ、わんこよ・・・。
死にそうな顔で、はひはひ言っている犬を手早く乾かす。
そして、今までエアコンなし生活を続けてきたが、今年初めてのエアコンを入れる。
・・・と言っても人間の部屋ではない、犬小屋にだ。
そしてモードは除湿である。
めったに冷房にはしない。
犬の身体に冷房は良くないと聞いたからなのだが・・・、
しかし、除湿と冷房の風に違いはあるのか?
疑問を抱きながらも、毎回律儀に除湿だ。
温度も28度・・・省エネモードである。
暫くすると穏やかに伸びた寝姿を見せてくれた。
うん、安心。
そして自分は、外へと出かけていく・・・。

・・・・・何だ?何でこんなに何かと忙しいんだろう?
最近ゆっくりPCの前に座っていないぞ。
しかし、家にいると暑いので用事がある方がありがたかったりする。
今日も・・・ちょっくら忙しい・・・・。
そして、暑いらしい・・・・。暑いのは・・・イヤ!(^^;)
それが大事・・・・とか?
2008-07-04
わたしの好きな歌に「それが大事」と言う歌がある。大事マンブラザーズバンド・・・だったか・・・・。
何かあって挫けそうな時は必ず歌う。
歌ったからどうにかなる。と言うわけではないが、自己暗示をかけるアイテム・・・のようなものか・・・・。
努力するとか、しないとか・・・・以前に書いた。
わたしは知っている。努力したからと言って必ずそれが世の中に受け入れられる訳じゃない。
努力が足らない訳でもない。
確かに自分ではどうしようもない事が世の中にはあるのだ。
しかし、生き続ける為の努力は止めてはいけない、と思っている。
たとえ、どんな状況下にあっても。
それは必ず自分に対する自信になる。
自分の中でそれは揺るがない。
生きてさえいれば、いつか良いことがある。なんて思ってはいないし、あえて言う気もない。
しかしやっぱり、人生万事は『塞翁が馬』なのだ。
正直、今の自分は生きることに疲れている。
つい先日、書き方を間違ってご心配をおかけしてしまったのは失敗だった。
ただ、「果報は寝て待て」ではないが、そんな悠長な事を言ってる状態でもないが、全てをストップしてしまってもいい時期があるのではないかと思う。
とことんまでがむしゃらに走り続けるのもいい。
だけれど、たまには逃げ出してしまう事があってもいいと思っている。
ただしそれは、自暴自棄・・・とは違う。
あくまで次へのステップの為の充電期間でなければならない。
何の為に生まれてきたのか。
誰しもが自分に問う事があると思う。
ま、自分はそんな事を小学生の時から考えていた変な人間だったので、世の中に対する絶望は早かった。
何故生きるのか・・・。
それは、いつか死ぬためだ。
生まれたものはいつか死ぬ。
それは誰しも同じ。
ならばその時の為に、もうちょっとだけ生きる事に一生懸命になってもいいんじゃないか?
生まれたからにはその生に真摯に向き合わねばならない。
地を這い蹲ってもいい。泥汁を舐めてもいい。
最後の最後まで踏ん張るから生きる意味があるのだ。
生きる事に葛藤する人間は多い。
自分の境遇を不幸がってても仕方がない。
自分の為に、世の中の流れに逆らえ。そう思う。
このブログのタイトルでもある。
動物は決して生きる事を諦めない。
だからわたしの側にはいつも動物がいる。
打たれて凹んで凸んで・・・・を繰り返す。そんな自分はきっと何があっても強い・・・・。
それが自分の人生哲学だ。
*************************
最近、記事が暗いよなぁ・・・・・・
この当たりを書くのは、自分のキャラでもないんだが・・・・・・・(^^;)
同情はいらねぇぜ。ってか多分、誰よりも自尊心が強く、過剰なまでに自信家だ・・・・自分(笑)
・・・そう思い込みたいだけかも知れないけど、思いこみは大事だ。うん。
ま、いっかと思える比率
2008-07-05
大人と子供では、一日の長さが違うという。
それは生きてきた年数の比だと聞いた。
5年しか生きていない子供だと1日の長さは50年生きた大人の10倍に感じるらしい。
ま、いっか・・・と思える比率も似たようなもんなんだろう。
長く生きていればいるほどいろいろな経験が積み重なって、何か気になる事があっても
その度に感じる重要度は低くなり
「ま、いっか・・・。」
となるんだ。きっと・・・・。
だから、
「え?どうしよう・・・・。なんで?」
って思ってもすぐに
「ま、いっか・・・。」
となってしまう(笑)
・・・と言う事で、何か思うことがあっても
「ま、いっか・・・」
と決着付けて深く考えるのをやめてさくっと寝る事にしている。
と言う事で昨日はさくっと寝た。何だかばからしゅうて・・・。
その前は夜が明けていたし・・・(笑)
幸か不幸かよほどの事がない限り、寝付きは極めていい。
今朝の目覚めは快調だ。
若い頃ならこうはいかなかったなぁ・・・。
きっと未だに一つ事をうじうじ悩んでます。
いやぁ、歳を取るっていいなぁ。
第526回「バーゲンは好きですか?」
2008-07-05
バーゲンは好きですか?って・・・・
そんなもの当然、大好きに決まっていますよ♪
だって、キャベツやキュウリやお野菜が100円で買えるんですよっ!!
時には90円台とか・・・・。
これを逃す手なんてないと思いませんか?
え?何のバーゲンかって?
スーパーの朝市、生鮮食品のタイムバーゲンですっ!
それしかないじゃないですか。
如何に食料品を安く仕入れるか。これこそが生活の知恵です。
いくらごった返そうが、絶対に逃しません。
買うもののサイクルさえ変えれば、無駄にする事もないですし・・・・。
まあ、たまには献立も決まってないのに買ってしまって、どうしよう?なんて事もありますが、普通の値段で買うことを思えば、無理にでもお腹に収納してしまいますね。
野菜さえあれば生きていける♪
肉のバーゲンもたまにありますが、肉を焼くと換気扇が汚れるのであまり・・・いえ、全然買いませんねぇ(^^;)
あまり好みではないものを作って掃除の手間を増やすのは好きではありません。
バーゲンは好きっ!!ただし朝市、生鮮食品のタイムバーゲンに限る!!
・・・と言う条件付きです。
儀式
2008-07-05
暗いっすよ。最初に言っときます。で、間違っても自分の体験じゃないっすよ(^^;)
詩のようなもの・・・・
でも、訳わっかんねぇ~(笑)
*******************
凍てつく輝き
鋭利なる刃
瞬時の感覚は無痛
次に激痛
脈動に同期
溢るる色は命
伝い離れる小さな蕾
宙を舞い花開き
真紅に燃え盛り
ひとつ、ふたつ、みっつ
はらり、はらり、はらり
重力の中とらわる
おりかさなる
広がる
・・・・広がる
死を望むでなく
注目を望むでなく
自分への儀式
痛覚は自己確認
色は存在理由
闇に還る全ては無
*************************
今外なんですがね、なーんてものを書いてる横で、おっちゃんがカレーを食べています。
そして、前に座った子供に向かって
「レインボーマン」
のオープニングを歌っておりましたとさ・・・・。
うはっ!
いや、好きだけどさ・・・・、イメージがぶっ飛んだわ・・・・(^^;)
レインボーマン → イナズマン → コンドールマン
と連想ゲームのように広がるんだけど・・・・。
イメージする・・・
2008-07-06
連日暑いです。
太陽光線は厳しく身体に突き刺さり、溶けてどろどろです。
PCルームは西日で程良く焼けて夜になっても36度近くあります。
エアコンは・・・ありません。
正確にはありますが、修理していません。
ONすると暖房になります。
暑い日は寝るに限る!
さっさと就寝しました。
非常に健康的です。
--------------------
さて、わたしが創作ものをイメージする時は、いろんな事を考えるのに疲れた時が多いようです(笑)
最初から何かを書こうと思って始める事は稀です。
たとえば・・・・・
仕事の事
生活のこと
掃除のこと
いぬの病気のこと
ネコの健康のこと
献立のこと
ニュースのこと
目に入ってきた文字のこと
言葉のこと
本のこと
社会のこと
などなど、自分でもよくわからない事をこの訳のわからない頭はとめどなく考え続けています。
しかもかなり現実的な事が多い・・・・。
大抵はきりのいいところで「ま、いっか~。」と次回に繰り越しますが、答えなどない事を知りながら、フル回転させようとするもので時にはオーバーヒートを起こします。
そんな時は電車の中で、小さな店の片隅で・・・様々な場所でPDAを広げます。
トイレやお風呂や、寝る前とかは殆どないです。
周りにはいつも沢山の人がいます。
つまり、今も家の外です。
雑多な意識の中で、それを感じるように自分の中のイメージに集中します。
それは明であり、時には暗であり、光であり、闇であり、希望であり、絶望であり・・・と、常に相反するイメージの中に身をおきます。
・・・・なんか言葉で書くとちょっとかっこいい?(笑)
イメージがまとまれば小説であればプロットをたてる時もあり、プロットの立っている小説本体を書いている時もあります。
自分の持つイメージがいつか自分の内部だけのイメージでなく、時には他人の抱くイメージとシンクロし、さまざまなイメージを放つものであるといいな・・・。などと思いながら、いまだに自分だけのイメージに固執しています。
・・・・・で、そもそもイメージとはどういうものだ?
とまたこの頭は考え始めました(笑)
体温と外気温との関係・・・とか?
2008-07-07
自分の平常時の体温は高い。
常に37度前後ある。子供なみ?
別に病気・・と言う訳ではない。
ただ微熱がずっと続いているようなものなので多少はしんどさを感じるが、こういうものだと慣れたらそんなものになる。
ただ、少なくとも10代の頃は普通だった。35度6分とかそんな感じ。
夏場は外気温との差が少ないのでさほど暑さを感じないのではないか?
と思った時代もあった。
しかし、体温が高い分外気温が高いと非常に堪えるのである。
変温動物じゃあるまいし、外気温に体温が左右される筈はないと思うけれどもやはり多少は上昇するのだろうか。
数字にしたら、たかだか、1~1.5℃程度の違いなのにその差はなんと大きいことか・・・・。
その代わり冬場は非常に楽である。
反対に冬場は差が大きい分寒さを感じやすいように思う。
しかし、体温の高さが低下を防いでくれているのだろうか?
暖房が入っているときつい時もあるけれども、少々の寒さなら凌げる。
特に今住んでいる地域程度なら大丈夫だ。
冬場の暖房の設定温度は14度である。
ただ、末端冷え性なので、末端は凍える。足などは血が通わなくてよくつる。これだけが難点である。
まあ、そんな訳で夏場はとても辛い。
動作が緩慢になるし思考能力は衰える。
毎年夏がくる度に、冬眠はいいから夏眠をしたいと思う。
自分より体温の高い犬やネコはそれこそ大変だろう・・・と思う。
しかもあっちは汗腺が部分的にしかないし、毛皮装着なのだ。
余談だが、そんなわたしに
「自分はは夏が大好き~、夏が終わると寂しい」
などと言う人間がいた。
・・・で、夏の何が好きなのかと聞いてみた。
厳しい直射日光の中の青い空に海なのか?
「暑い日に冷房を18度くらいに設定してキンキンに冷やした部屋で過ごせるから好き。」
・・・・・それ・・・・ちょっと違う・・・・・
暑い時に暑苦しい話題でよけいに暑い・・・(^^;)
怪談とか・・・・・・?
2008-07-07
わたしは映画でもホラー作品を好んでは観ない。スプラッタとかは、まあ、面白がっては観るけれども貞子さんとか得意な方ではない。
子供の頃、夏といえば必ず怪談映画をやっていた。そしてワイドショーでは「あなたの知らない世界」などが放映される。
ついつい、観てしまうのだ。怖いものみたさの子供心と言うものだろうか。
西洋物よりも日本物の方が怖い。
人間の情念と言うか怨恨と言うか・・・・・。死んでまでそういうマイナスの感情に縛られて苦しむ様と言うものが恐ろしくて仕方が無かったのである。
幸いな事に霊感などないので、現実に存在する世界なのかどうかは知らずに済んでいる。
つまり否定も肯定もしていない訳だ。
・・・が、自分の犬の散歩コースは『墓場』で死んだ人間を焼く焼却炉のある場所だ。
勿論霊地に入る訳ではないが、目の前に墓石が並んでいるのを朝晩見ている。いかにも出そうな墓石もある。
そして、沿道の立派な木々の何れかに年に数度、夜中に人がぶら下がり翌朝、発見される・・・・・などと言う事がある。
運が悪かったら、まあ、目撃する訳である。
いつもは、年の瀬が多いけれども、去年は夏場に2件連続した。
その前々年度は確かいつも犬を遊ばしている裏手で、殺人事件があった。
霊感なんかが備わっていたら、成仏していない霊に毎日遭遇する事になる訳だ。
想像すると非常に怖い。
その辺の怪談など比ではないと思う。
わたしの想像力は散歩タイムには完全に封印される。
否定も肯定もしないが、このときばかりは否定したいのだ。
たまに犬は、誰もいない方をじっと見つめて立ち止まる。
日頃吠えないのに、突然ほえ始めたり、またはしっぽを落としてその場から去ろうとする時があるのだ。
でもわたしは、決してその理由を詮索したりしない。
人の霊魂が現れる怪談話はちょっとごめんしたかったりする。
何だか怖いところに住んでるよな・・・・自分・・・・(^^;)
あえて言うことでもないが・・・
2008-07-08
会社でよく
何とか週間・・・・とやらで 項目ごとに記載させられる。
勿論、環境週間もあるのでこの手の事も書かされたりするのである。
まるで、書いてさえいたらいい。ようなそれが自分はあんまり好きではない。
もう10年近く前になるが、昼礼時の一言スピーチで、エコロジーに関する話をされた方がいた。
「環境に優しいことをしようと思ったら、何も作り出さない事が一番である。」
まさしく、その通りである。
便利さ快適さを求めず、自然に任せて生きていけば、これほど環境にやさしいことはない。
ただ存在しているだけでも、環境に負担はかかっているのである。
・・・・・と、そう言ってしまえばミもフタもないので、その中で常に意識した行動を取ってればいいんじゃないかな。
”わたしはこれをやっていますっ!”
とか特にアピールしなければならないものではないと思う。
勿論、一言スピーチの方も何もしない。で話を終わられたわけではない。
製品を造る会社であったわけなので、それに関する技術的な事を述べて締められた。
・・で、わたしは一般的に
・車に乗ってりゃ、停車時にアイドリングしない。
・電気などは使わない時は消す。
・水は流しっぱなしにしない。
・分別ゴミをきちんとする。極力ゴミを減らす。
・資源を有効利用する。積極的にリサイクルに出す。
・低消費電力製品に買い替える。←5年~10年前の電化製品を使っている人はこれ凄く大きいですね。
あと何だ?小さい事は結構意識してやってます。
でも、昔から言われてきたような事しかやってないので取り立てて書くような事がありません・・・(^^;)
これいいですよ!
っていうアイディアがあればねぇ~・・・・。
のりのりで書けるのに・・・・。
太陽ソーラ発電とか営業に来たけど・・・計算してもらったけど、全然光熱費安くならなかったけど・・・元取れなかったけど・・・・環境の為ならやってあげたかったけど・・・その時すでに打ちのめされた後だったのでカネなかったのよ。
プラトニック 前編
2008-07-09
淡々と・・・ジャンル恋愛大地の続きを書かずに何やってんだろ(^^;)
********************************
待ち合わせの喫茶店。
ふと、目の前のカップルに目をやる。
高校生・・・・。つきあい始めてまだ日が浅そうだ。ぎこちない仕草。時折会話が途切れている。そんな二人を見つめながらあの頃を思い出す。
春、入学したての高校一年生。
俺は初めてあの人に出会った。
バスを待っていた時だ。
下校時間には本数の多いバスも時間が少しずれると1時間に2本くらいしか通らない。既に行ったばかりのバスに溜息を尽きながらベンチに腰掛けて待っていると坂の上の正門からあの人が駆け下りてきた。
バスの時刻表と時計を見比べて出たばかりであろうバスに溜息をついている。俺と同じだ。何だかおかしくなった。
スポーツバッグを下ろした、その場でバスを待つのだろう。
肩より少し長い髪、前髪は目にかかるくらいに少し長めで両サイドに流している。馴染んだ制服が上級生である事を示していた。少し大人っぽい顔立ちに意志の強そうな目がとても印象的だった。
自分はまだ高校生になりたてで、中学までは坊主頭が校則だったので髪も生え揃っていない。
髪を延ばした上級生を思うとガキっぽい自分の頭が少し恥ずかしくなった。
だから5mほどの距離が少し残念なような、そうでないように感じている。
もう少し側にいってみたい・・・。もう少し、こっちに来ないだろうか・・・そんな事を思っていたら、彼女がふいにこちらを振り向いた。
目が合った。見ていた事に気づかれただろうか・・・・。俺は目を逸らす事も出来ずにそのままの状態でぶしつけに見てしまった。あの人の方が先に目を伏せた。
バスが到着する時間が近づくに連れ段々と生徒が降りてきた。ふたりっきりの時間は終わった。
数人の男子生徒があの人の側に寄っていって何かを話しかけている。同級生・・・なんだろう。馴れ馴れしそうなのが気に掛かったけれどもあの人の表情はあまり変わらない。
彼氏・・・ではなさそうだ。何故かほっとした。
俺はあの日からあの人の事が気に掛かって仕方がなくなった。
一つ年上だと言う事を知った。上級生とは階が違う。出会う機会は殆どなかった。運が良ければ移動教室の時や食堂で・・帰宅時に偶然に出会える。単にその偶然を期待するのみである。
数度見かけたが、いつも男子生徒が側にいた。
会えない・・・となったら気に掛かる。俺の心は話したこともないあの人で一杯になった。
そのままの状態で、やがて俺は2年になった。当然のようにあの人は3年生だ。二人の距離は一向に縮まらない。
当然だ、何も行動を起こしていないのだからそれ以上の進展がある筈もない。
相変わらず知っているのは名前だけだ。名前は、友人が同じ部活だったから聞き出した。
ただ、最近視線を感じる。登校時ふと上を見上げるとあの人の姿がある。食堂で出会っても気がつけばこちらを見ているあの人がいる。俺を見つめているのかとつい自惚れてしまう。
いや、待てよ。いつも一緒にいる俺の友人はあの人の後輩だ。
そんな都合のいい話がある訳もなく、こいつを見ているんだな。と納得した。
二人は結構、仲がいい。夏休みに二人で遊びに行ったと楽しそうに話しているのを聞いた。
俺はその話を聞きながら羨ましく思った。平日のあの人はどんななんだろう。
想像ばかりで日毎に思いは募るのに俺は一歩も踏み出せないままだ。他の女子に目がいくでもなかった。
時が経つのは早いもので、出会ってからもう1年半経っていた。来年の春にはあの人は卒業してしまう。そうしたらもう二度と会えないだろう。俺の初恋はこうして終わるのか・・・・。
何だか自分が酷く小物に思えてくる。
転機が訪れたのは体育祭の時だった。
あの人が俺の持ち物を欲しがっていると聞いた。
聞き間違いか?いや、しかし確かに俺の名前だ。
俺は友人たちにからかわれているのだと思ったが、それでも、やっぱり期待してしまうもんだ。
どうこう言おうが、もうすぐ永遠にお別れだ。どうせ離れてしまうのならそろそろ自分で決着を付けた方がいいんじゃないか?
幕引きは美しく。それが俺の美学だ。・・・とかっこつけたところで、単にふられるのが怖くて今まで引き延ばして来ただけだ。今回も、可能性が0でない事を知ったから行動に移すまでの事。
俺って言う奴はどこまで臆病者なんだろう、と情けなくなる。
それでも電話をかけるのには勇気がいった。電話番号は学生簿でわかる。何度も受話器を取り、そして置いた。
何を話すか、何と伝えるか、何度も胸の中で反芻する。
今度こそ決心を付けた。ダイヤルする指が震える。
まただ・・・・。途中でダイヤルするのを止めた。
なんって情けない!
長くため息をついた。さっきからこんな事を小1時間も繰り返している。何度も深呼吸をする。全くこれで何回目だ。これが最後だ。今度こそ覚悟を決めた。途中でダイヤルを止めない。受話器を置かない。自分に対して言い聞かせるように呟く。
呼び出し音が鳴る。ガチャリと受話器を取る音。家の人の声だろうか・・・。もう後戻り出来ない。
心臓が飛び出そうだ。狼狽せずにちゃんと言えているのだろうか。それすらも自分で判断出来ない。
取り次いでもらっている間に少し冷静になった。しかし、それはほんの僅かの時間だ。
あの人の声が聞こえた。友達と話している声は聞いた事がある。けれど、これは俺に対して掛けられる初めての声だ。
心臓の音がうるさい。うるさい・・・・何を喋っているのか自分でも分からなくなってくる。あの人は俺の事を知っていた。
何を喋ったのだろう。とにかく付き合って欲しいという事は言ったと思う。
答えは・・・イエスだ。
受話器を置いた。
天にも上るような気持ちと言うのはこういうのを言うのだろうか。思わず飛び上がった。踊りだしたい気分だった。その日は本当に眠れなかった。
親しくもない、学年も違う。話したこともない相手と両想いになれる確率なんてあるのだろうか。
しかし、そんな思いは長くは続かなかった。
猫なイヌとか、犬なネコとか・・・?
2008-07-09
うちのイヌは非常に猫的なイヌである。秋田飼いに聞くと大抵が同じような事を言っているのでどうやら、この犬種はそういう性質を持っているのだろう。
さて、どういうところがネコだろうか?
イヌを残して外出する時、行って来ますと部屋をのぞく。
寝姿のままちらりと見ただけで、そのまま、また目を閉じて寝てしまう。
帰ってきて、ただいま。と挨拶しても素知らぬ顔である。

もちろん、散歩に行くときもさして喜びを表さない。
「ああ、行くのぉ?」ってな感じでよっこらしょと立ち上がる。
ただし、外に出るとそこはやはり犬、他の人には非常に愛想がよい。
オーナーを無視して他の人にべったりなのである。
わたしが他の犬を可愛がっていても気にもしやしない。
黙って姿を消しても追いかけてもこない。
遊びながらそのまま、また迎えに来るのを待っているのだ。
そして犬ならお得意の筈の「持ってこい」これをしない。
確かに放ったボールをたまに気紛れに追いかける。
しかし、結局わたしが取りに走らねばならんのだ。
近くに寄り添って座れば、むっくりと起き2,3歩離れて座りなおす。
名前を呼んでも振り向きもしない。
お前たちっ!愛はないのか?(T^T)
さて、うちのネコである。
彼らは非常に愛情溢れている。
わたしが行くところどこへでもついて回る。

出て行く時はぎりぎりまでお見送りをしてくれる。
家に帰ってきた気配がすると途端ににゃぁと声を立てる。
風呂やトイレに入ったらそのまま出てくるまでドアの前で待っている。
突然姿が見えなくなると、にゃぁにゃぁ攻撃でうるさい。
ゆっくりと腰を下ろそうものなら即座に飛んでやってきて膝の上や身体の側面に寄り添う。
他のネコを可愛がっていたりするとヤキモチをやく。
そして、なんとイヌのしない「持ってこい」をするのである。
口にくわえて、てってけ、てってけとこちらへ走ってくる姿の可愛いこと!
「お座り」の号令でお座りが出来るコもいた。
名前を呼ばれると必ず顔を上げる。返事をする。
時には重すぎる位の愛情を注いでくれるのだ。(*^^*)
これこそがうちのネコの実態だ。
世間は、イヌとネコの行動認識を違えている・・・・と思う。
記事がバケラった・・・
2008-07-09
わたしは記事の投稿に予約投稿を利用している。今日、気がついたのだが、記事が化けている(笑)
予約なのでアップされた後の記事の確認が出来ていない。
プレビューでは問題なく表示される。
うーん・・・・と考えた。
原因は記事投稿のユーザタグの設定項目だった。
右端にあるチェックボックスがチェックされたままだと、どうやらそのタグに当たる部分が化けるようである。
根本原因は他にあるかも知れないが、ブログ全体のタグ検索にひっかけるつもりはないので特にここをチェックする必要もなし。として解決とする。
でも、自動で何故かここチェックONになるのでたまにはずし忘れるかも知れない。
その時はお見苦しい記事をお見せいたしますが、ご容赦ください。
プラトニック 後編
2008-07-10
学校へ行ってもいつもと変わらぬ日常。付き合ったから何がどう変わるでもなかった。
相変わらず学年は違う。会える機会など1週間のうちに数える程だ。何をどうしたらいいのかなんて知らない。分からない。
同級生だと分かっていても他の男子生徒と喋っているのを見かけると何だか腹立たしくもある。
俺だって、そんなに側に寄れない。あの人から俺のところへ来る事はない。俺もそうだ。人がいるところであの人に近寄ったりしない。
違う事と言えば・・・笑いかけてくれる事だろうか・・・・。でも、それだけでは物足りない。
もっと、もっと・・・何かもっと・・・、そう思ってもどう行動していいのかどうしても分からなかった。
そう言えば、電話もあれきりだ。もしかしたら、あれは自分が勝手に思い描いた夢だったんじゃないか?
そんな気にさえなってくる。
再び受話器を取った。緊張はするものの、今度は最初の頃ほどではなかった。
声に抑揚がない。電話は迷惑なんだろうか、ふとそんな気持ちが過る。
いや、でもそれならあの時OKする筈がない。自分を奮い立たせて今度の休みにデートに誘ってみた。やっぱり断らない。
場所はお互いの中間地点となる駅の前に広がる緑地公園にした。
二人で決めた。
そう言えば・・・と思い当たる。返事はOKだったけれども俺の事をどう思っているのか聞いていない。・・・自分も言っていない事に気がついた。
相手が何を思っているのか簡単に知る術があればいいのに。
俺の心は千々に乱れる。
初秋・・・季節はいい。初めてのデート。知らない事はこれから知っていけばいい。わからなければ聞けばいい。いろんな事を話そうと考えていたのに言葉は上手に出てこない。でも言葉がなくても側にいるだけで嬉しくなってくる。
手作りの弁当には感激した。
遠くで見ているだけだった人がこんなに近くにいる。それだけで胸がいっぱいだ。
二人並んで辺りを散策する。
周りはもっと人が多くて騒がしいかと思ったらそれほどでもなく静かだ。手を繋いでみたくなった。どのタイミングで手を繋げばいいんだろうか。そんな事ばかりを考える。
今の俺の頭の中を知られると呆れられるだろうか?
ふいに視線の先に一組のカップルが目に入った。思わず足が止まる。
178cmの俺からは見えるがそれより15cm低い彼女は気が付いていない。ちょうど木の枝が邪魔をしていた。
気まずい思いをしたくなくて、あっちに行こうと指をさして先に歩いて別の道に入った。
何があったのか訊ねられたが、何と言って答えていいやら困った。
二人は人気のないところで、まあキスしていた訳だ。彼女も何となく言わんとした事を察して俯いた。俺の頭によからぬ考えが浮かぶ。
チャンスか?
しかし、思いとどまった。手も繋いでいない。そうだった。まだ手も繋いでいないのだ。
焦ると逃げられる・・・じゃなくて、嫌われるかも知れない。俺は自制した。嫌われるくらいなら何だって我慢をしてやる。それにガツガツするのは格好悪いと思っていた。
ろくでもない行為に及ぶ前に早々に彼女と別れて帰った。まるでお子様タイムだ。
デートってこんなもんなんだろうか・・・。俺の頭の中で自己嫌悪と後悔がぐるぐると回る。
悶々とする日が多くなる。
あの人は今は俺の彼女・・・なんだよな。自問自答する。
ライブをする。と言っても頑張ってね。の一言で終わった。彼女なら見に来てくれるんじゃないのだろうか・・・・。疑惑を打ち消す。
会えば、俺の考えすぎだったと思い、離れてしまうと不安で一杯になる。
そんな思いを抱えたまま、3月、彼女の卒業。
春休みのある日、電話をかけた。
もう終わりにしよう。
簡単に言う俺に彼女は何も聞かず同意した。
半年・・・ほんの3,4回デートした。電話も数える程度だ。彼女からかかってきたのは2回ほどだっただろうか・・・。
もう、どうでも良くなった。
付き合っている時よりも一人で思っている時の方が楽だった。結局あの人は俺の事が好きだったのだろうか。
俺から電話して始めた付き合いも俺から終止符をうった。
それから数日して電話があった。
あの人の友達と言う人からだった。あの人は泣いてばかりいる。と言う。
最後にもう一度会って話をする事になった。
彼女はいつもと変わらない。本当に泣いていたのだろうか?
彼女は卒業し俺は3年だ。
進路は決めている。この土地から離れて遠くの大学へ入る。どうしてもそこへ行きたい。勉強に専念したい。そう告げた。
ばかばかしい。勉強に専念出来ないのは俺が悪いだけだ。そんな一方的な理由にも何も言わない。頑張ってね。と言われると胸が痛む。
大学に受かったら今度は4年も離ればなれだ。おまけに卒業したからと言ってこっちに戻ってくるとは限らない。待っててくれとも言えない。それにそんな先の事わからない。
それきりあの人には会わなかった。連絡もしなかった。
次の年、見事に大学には落ちた。
浪人して翌年合格した。
俺はあの時一つの決心をしていた。大学に受かったら・・・その時、俺の気持ちが変わっていなかったらあの人に連絡を取ろう。・・・・そしてもし、もしもあの人もそうだったら・・・・・。
今、あの人を待っている。
あの人が姿を現した。変わっていない。俺を見つけてこちらへやってくる。
好きで好きでたまらない。
あの人を見てそう思った。自分の気持ちで精いっぱいでぎこちなさばかりが残ったあの時・・、今度は、今度こそうまくやれるだろうか・・・・・。
家族の一員とか、ペットとか・・・?
2008-07-10
動物と暮らしていて気づく事がある。
昔はペットの呼び名が一般的だった。愛玩動物。だからと言っておもちゃ扱いしている訳ではない。
それが時代の流れとともに変わってきた。
まるでその言葉は差別用語であるかのように過剰な反応を示す人がいるのだ。
ペット。と呼ぼうが大事にしている人は大事にしているし、家族の一員と呼ぼうが、おもちゃのように扱っている人はそう扱っているのだ。
なのに言葉一つでまるでその人の動物に対する扱いを決めつけられてしまう。
わたしも一時期は時代のうねりに飲み込まれて意識的にペットと言う言葉を使わず、極力家族の一員と呼ぶようにした時期があった。
オス、メス、と呼んではいけない。男の子、女の子と呼ばねばならない。
動物病院に至っては患畜と言ってはいけない。患者といわなければならない。
そして、この人、あの人・・・とくる。
だが、気がついた。あまりに馬鹿げている。
擬人化すれば全て人間と同等の愛情を注いでいる事になるのだろうか。
・・・と言うか、そんな事でしかかけた愛情をはかれないのは変である。
ペットと呼ぶ人を侮蔑する。
そんな中にいるのは疲れた。
わたしは呼びたいように呼ぶ事にした。たかが言葉一つである。それでわたしのかける愛情が変化するものではない。
犬は犬だし、ネコはネコだ。
決して人ではない。
だからといってかける愛情が劣っている訳ではない。
飼い犬、飼い猫と言う言葉すら嫌悪する人もいる(^^;)
言葉だけを狭義的にしか捉えられない人はそうするがいい。
世の中、変だ・・・・・。
むかし、ネコに愛情を注ぐわたしにある人が言った。
どれだけ、ネコが好き?
汚れてどろどろになったネコと同じ湯船に浸かれる位に好き?
・・・・・汚れてどろどろの相手だったらどんなに好きな人でもイヤ。
そんなもので、愛情をはかるものではない。
【短編】大地のレクイエム 2回
2008-07-11
流れる豊かな黒い髪、燃える紅い瞳。
その顔(かんばせ)は年若くまだまだ少年っぽさを残している。
疲労の色は濃く武具を全て外すとそのままベッドへと倒れ込むように身体を横たえた。
ゆらゆらとゆらめく明かりを見つめる瞳を瞼は重く塞ぎ、意識は深淵へと引きずり込まれていく。
深い眠りに付いた。
灯された明かりが、今度は一つずつその姿を消していく。
暗闇の中ふわりと白い影が漂う。
それは人型を取ると彼の側に立ち手を伸ばした。
その手は、彼だけに与えられるただ一つの癒やし。
影はこの土地において過去より彼を守り続けたもの。
眠りの中の彼は確かなその存在に気づいていない。
翌日、目覚めた彼は里へ姿を現した。
いつものように里の民で賑わう朝市。
彼が目にする民の顔からは隣国の進軍を知った時の恐怖は消え去っていた。
はしゃぎ遊ぶ子供の姿。
穏やかに談笑する民。
彼はそれら全ての存在に己の価値を見いだし安堵する。
遠く離れた土地での戦火の日々が嘘のようである。
彼はこの土地と里の民が我が身を守る為に彼らの手によって軍へと差し出された。
しかし、目の前にある生気溢れる民の姿は恨む事を知らない彼に無上の喜びをもたらす。
彼は何気なく店先で一つの果物を手に取る。
居眠りをしていた店主は人の気配に目を開けた。
愛想よく笑いかけた店主だったが、その気配が彼である事に気づくと、後ずさり尻もちをつき怯えた声をあげる。
その場に居合わせた人々の視線が集中する。
彼の顔から笑みは消え、気色ばる人々に意識が研ぎ澄まされた。
恐怖に彩られた村人の目に晒されている自分の存在は、彼の心に暗い影を落とす。
代価を置き、彼は黙ってその場を後にする。
ヒソヒソと囁く声は彼をそんな彼を尚も追い立てる。
己の存在が空気を乱す。突き刺さる思いを胸に抱き足早に里を抜けた。
FC2トラックバックテーマ 第530回「ゴキブリに出会ってしまったらまずどうする?」
2008-07-12
ゴキブリと出会ってしまったら・・・・。
出会うと言う表現が、何とも・・・・・(笑)
出会い方によります。
1.散歩中にうっかりと出会ってしまう。
息を呑む・・・・。そして固まる。そして犬を引っ張って必死で逃げる。
夜中に5cm近いゴキブリが散歩をしていた時には顔面蒼白でした。
2.部屋の電気を付けた途端に目の前にいたら。
まず、ぞうきんを裂く叫びをあげます。そして部屋から飛び出します。
いなくなるまでじっと外で待ちます。
3.ゴキブリが飛んでるのに出会ったら。
これまた雑巾を裂く叫びをあげます。逃げ場がないので、その辺のもので応戦します。
つまり、わたしはでかいゴキブリが怖いっ!!
しかし、今まで勝ったためしがありません・・・・(--;)
【短編】 仔猫の見る夢
2008-07-13
トクン・・・・トクン・・・・・
仔猫たちは、お腹の中でお母さんネコの心音を感じます。
兄弟仔猫は5匹。みんな同じように規則正しいリズムと、羊水のゆらゆら揺りかごに揺られながらまどろみます。
お母さんネコはお腹の仔猫たちに、毎日いろんな事を語りかけます。
そして最後に「元気で早くでておいで。」と添えます。
お腹の仔猫たちはまだ目も見えません。耳も聞こえません。でも、お母さんネコの語りかける声を振動でリズムとして捉えます。
お母さんネコは仔猫の言葉を胎動で感じ取ります。
「お母さん、お母さん。もっとお話して・・・」
好奇心旺盛な仔猫がおねだりをします。
お母さんネコは知っている事をたくさん伝えようと話をします。
見たことのない世界。聞いたことのない音。
仔猫たちは外の世界に出るのをとても楽しみにしていました。
「でも、外には怖いことも沢山あるから気を付けるのよ」
お母さんネコは、注意をする事も忘れていません。
仔猫たちが光を感じる時がやってきました。
まだ目は開いていないので、閉じた瞼の裏から明るさを感じるだけです。
「ぴゃぁ、ぴゃぁ・・・」
「ぴゃぁ、ぴゃぁ・・・」
みんな元気な声をあげます。
僅かに震える空気に仔猫は兄弟猫たちの存在を感じ取ります。
「これがお外なのかしら」
小さな手足をもぞもぞと動かします。
ところが、感じていた明かりが突然に遮られました。
「何だろう?どうして?お母さん・・・どこ?」
仔猫は不安になりました。濡れたままの身体も冷たくなっていきます。
「寒い・・・・」
でも、しばらくしてから、ぞり・・・ぞり・・・ぞり・・・。
身体中に何かを感じます。お母さんネコが仔猫の濡れた身体を舐め取ってあげています。
ぬくもりが仔猫を包み込んでくれます。そして、目の前から甘い香りがしてきました。
仔猫は、小さなお口をぱっくりと開けて甘い香りがしてくる場所に吸い付きました。
口一杯に広がる液体は、何とも言えない味がします。ほっぺがおちそうです。
「これがお腹の中でお母さんが教えてくれた”おいしい”って事なのかしら。」
仔猫は生まれて初めて飲む行動とおいしいの意味を知りました。
舌を上手に使って夢中になってコクコクと吸いついて飲みます。
お腹の中にいる間にお母さんネコはいろいろな事を教えておいてくれました。
他の兄弟ネコたちも同じように飲んでいるのでしょう。聞こえないし見えなくても気配でわかります。
枯れる事なく出てくるお乳に仔猫はお腹も一杯になって眠たくなりました。
お腹の中にいる時とは違って、ちょっと身体が重たく感じるけれども、ふわふわで暖かいぬくもりに包まれている感じは同じです。
口を離して小さな鼻孔から空気を一杯吸い込むと、ことりと眠ってしまいました。
お腹が空いたら目を覚ましてお乳を飲んではまた眠ります。仔猫はその間ずっとお母さんネコのぬくもりを感じていました。
不安になる事はありませんでした。
仔猫たちは兄弟ネコたちとすくすくと成長しました。
手足の力もついてきてずりずりとそこら中をはいずり回ります。お母さんネコは仔猫から目が離せません。
閉じていた瞼は開きものが見えるようになります。そして塞がっていた耳もピンとたち、音も聞こえるようになりました。
お母さんネコが見えます。
兄弟ネコたちが見えます。
お母さんネコの身体によじ登ったり、はいずり回るばかりだった仔猫たちも自分の足で立って歩けるようにもなりました。
行動範囲が増えるとますます、お母さんネコは目が離せなくなります。
時にはお乳を吸っている兄弟ネコをその場に残して、遠くへ行き過ぎた仔猫をくわえては戻ってきます。
仔猫は好奇心が旺盛です。
お母さんがお話してくれた世界を早く見たくて仕方がありません。
吹く風、お日様、空、雲、昼、夜、お星様、土、車、人・・・・・・。
仔猫はいろんな事を覚えていきます。
狩りをする事も教えてもらいました。
お尻をあげてしっぽでバランスを取って、タイミングを逃さずに飛びかかります。
兄弟ネコと遊びながら、加減というものも覚えていきます。
やんちゃが過ぎるとお母さんネコに叱られる事もあります
赤ちゃんだった仔猫はあっという間にしっかりとした一人前のネコに成長しました。
兄弟ネコたちはそれぞれに巣立っていきました。
最後まで残っていた仔猫もお母さんと別れる日がやってきました。
仔猫を巣立たせる為にお母さんが帰ってこなくなったのです。
仔猫は一人で生きていきます。
お母さんネコは本当に生きていくために必要ないろんな事を教えてくれました。
一人でご飯を見つけ、暑い日には日影を探し、風のある場所を探します。
寒い日には風をよける事の出来る暖かい寝床で眠ります。
春、恋の季節に仔猫も恋をしました。
黒い鉤づめしっぽの立派なオスネコです。
仔猫はお母さんネコがしてくれたように子供たちを育てます。
そして無事に仔猫たちを巣立たせました。
いろんな事がありました。
人間の子供に飼われた事もありました。
怖い犬に追いかけられた事もあります。
仲間のネコたちも一杯出来ました。
仔猫の人生はめまぐるしく、まるで走馬燈のように過ぎていきました。
そんな仔猫にも寿命がやってきます。
身体はもう動きません。
そんな仔猫の元にネコが姿を現しました。
「お母さん」
それは忘れもしない懐かしいお母さんネコの姿です。
仔猫はお母さんネコに向かって駈けていきます。
「お母さん。わたしね、いっぱいいっぱい、いろんな事を見たよ。経験したよ。苦しい事もあったけど、楽しかったぁ。」
老ネコになっていた仔猫の姿は若ネコの姿になりやがて仔猫の姿へ、そしてお母さんネコの元に辿りついた時は赤ちゃん仔猫の姿へと変わっていました。
「お母さん、あのね、あのね、わたし生まれてきて良かったぁ・・・・・。」
赤ちゃん仔猫の姿は光に包まれてそのまま動かなくなりました。
お母さんネコは優しく赤ちゃん仔猫を口に咥えました。
そして赤ちゃん仔猫と同じように全身が光に包まれたかと思うとそのまま消えていきました。
「お父さん、お父さん、早く来て。ネコが・・・・・。」
小さな女の子が叫び声をあげました。
子供に呼ばれて父親が駆けつけます。
そこにはへその緒がついたままの生まれたばかりの仔猫が5匹、ぼろ切れにくるまれて捨てられていました。
そして、その横には母ネコと思われる成ネコも血を流して倒れていました。
赤ちゃん仔猫は生まれたあの日、光が遮られたあの時に死んでいました。
お腹にいる時にお母さんが沢山教えてくれた話で自分の一生を夢見たのです。
母ネコは飼い主の知らぬ間に仔猫を生みました。
それを知った飼い主は、生まれたばかりの仔猫を母猫から取り上げたのです。仔猫を取り返そうと必死で抵抗した母ネコは壁に叩きつけられて絶命しました。
そんな親子はまるでゴミのように捨てられたのです。
『仔猫の見る夢』 創作背景
2008-07-14
昔の知人に動物保護活動を積極的に行っていた方がいる。うちの歴代のネコたちはただ1匹を除き、捨てられた仔猫たちである。(中には野良のお母さんからはぐれた子もいるかも・・・・。)
幸いに授乳期を過ぎた仔猫たちだったので何とかみんな無事に育てる事が出来た。
少なくとも乳離れするまでは母ネコの側で育てられて来た。と言う事である。野良猫の子供との違いはその懐っこさにある。警戒心が非常に薄いのだ。ぬくもり恋しいのか、簡単に何にでも寄ってくる。
片や野良猫の子供はやはり野良猫の子供である。仔猫と言えども簡単に隙を見せない。世の中で生きていく知恵を生まれ持っているとしか思えない。
話を戻そう。
その動物保護活動を行っている知人は、どうしても目を背けたい現場に遭遇する事になる。
わたしのように偶然に捨て猫に出会ってしまう訳ではなく、通報を受けて飛んでいくのでその確立は非常に高くなる。
わたしはへその緒のついた仔猫が捨てられている場面に出くわした事はないが、その人の言う事には、件数としてはとても多いそうだ。
しかも本当に生まれたばかりの仔猫がゴミの日にゴミ山に捨てられていたりすると言う。
仔猫が生まれて困るのならば、何故飼っているネコにそういう処置をしておかないのだろう。という疑問と共に怒りがこみ上げてくる。
また、仔猫を産ませる理由の一つにショーの存在があった。
ショーをしている人なら耳にした事があるかも知れない。
メスであれば出産をしているかしていないかで、その状態に善し悪しが出てくると言うのである。
未経産であれば、一度子供を産ませなさいと言う。そうすれば状態があがるから・・・と。
あまりに馬鹿げている。馬鹿げているが、それをそのまま信じ込んで仔猫を産ませる人がいる。仔猫が欲しくて産ませる訳ではないので生まれた仔猫は邪魔なものでしかない。
よってへその緒のついたままの捨てネコが誕生する訳だ。
わたしは血統書に拘る人種が酷く苦手だった。
話をしていて、うちのコは血統書付きで・・・と来ると「それが一体、何になるの?」と、軽蔑すら覚える。
勿論、全てが全てそういう人ばかりでない事は理解している。・・・・が、その嫌悪感が抜けるのにかなりの期間を要した。
つまり自分が犬を飼って、純血種という存在に惚れ込むまでは理解し難い世界だったのだ。
それでもやっぱり今でも当時の自分と今の自分は、その矛盾に葛藤を繰り返す。
そんな行為をする人たちでも自分が飼っているネコは可愛いのである。
でも、生まれた仔猫はまだその愛情を注ぐ対象ではない。ただの物体で困る原因でしかないのだ。だから惨い事でも平気で出来る。
わたしの憤り、怒りはピークに達する。
しかし、自分には何も出来ない。無力な自分が情けなかった。
犬飼いの知人が近所の犬の事を日記で書いていた。
避妊手術をしていないその牝犬はヒートの度に、放し飼いの牡犬に妊娠させられ出産を繰り返す。
生まれた子供は離乳するまでは母犬の側で育てられるが、その後は保健所に連れて行かれる事を知ったそうだ。
何故、保健所なのかと言うと、子犬ならば保健所で里親を探してもらえるからと思いこんでいるかららしい。
無知もいいところである。
子犬ならば里親が見つかる可能性は少しは上がるかも知れないが、そんなものはほんの僅かでしかありえない。
持ち込まれた犬は即日処分されるのである。
避妊手術をしない理由の一つに自然に反するから・・・とか可哀想だから・・・とか尤もな理由をつける人がいるが、万が一があった時、その命に責任が持てますか?
と自分は問いたい。
うちの犬もネコも全てが避妊・去勢手術済みである。
でも、産ませて育ててあげられるものなら、その命の誕生を喜んであげたいのが本音だ。
エゴにつぐエゴを目の当たりにし 『命を考える』 事を突きつけたいわたしに、この話はこうでしか考えられない。
この話での 「救い」 は仔猫が母ネコのお腹の中で生きていくために教えてもらった話で例え夢の中でも、自分の一生を生き、最期に「生まれてきてよかった。」と口にして虹の橋に向かう事だと自分自身は思っている。
現実はそんな事はない、生まれてきた意味すら知らずに人の手で無惨に命を奪われて終わるのだ・・・・・。
わたしには伝えたい事がある時、都合のいい事だけ見て都合の悪いことは見ない。そんな話はきっと書けない。
非現実的な中にも確かに現実は存在するのだから・・・・。
大地のレクイエム 3回
2008-07-15
事あれば、彼は里が望める小高い丘に立つ。暫くその全貌を見やった後、沈む夕陽を浴び一人草笛を吹く。
物悲しくもある澄んだ音色は、景色に溶けて広がりを見せる。
時折吹く風が彼の頬を撫でては去っていく。
-・・・・・・い・で・・-
彼が常に感じていた気配、そして空気。
孤独からか、この地への思い入れの深さからか、それは初めて認識可能な言語として心の奥深くに入り込む。
草笛の音は止まり、彼は立ち上がると空中を見つめた。
『あなたは・・・誰?』
心の中で問いかける。
思いもかけぬその問いかけに、木々の梢がざわめいた。
返らぬ答えに沈黙は続く。
しかし彼の瞳はそこに何者かがいるが如く、一点を捉えて逸らされない。
-・・・わたし・・・は・・・・・・-
やっと沈黙を破り返された言葉に気を取られる彼の背後に大男が姿を現した。
手にした剣は、鬼神の働きを見せる戦人の彼を狙う刺客である事を示している。
振り下ろされようとする剣に彼を包む空気が緊迫した。
-危ないっ!逃げて!-
脳裡にはっきり届いた声に助けられ、咄嗟に剣を抜き敏捷な身のこなしで彼は応戦する。
剣は寸でのところでかわしたが、僅かな衝撃に額の皮膚は裂けた。
刺客の太刀は弾き飛ぶ。
だが相手は怯むことなく突進してきた。
裂傷は浅いが、流血に視界を奪われた彼はかわし切る事が出来なかった。
大人と子供ほどの体格差のある相手に力負けし背後の木にまで押しやられる。
刺客は素手で彼の喉を捉えた。
間合いの近さに彼の持つ大振りの剣は威力を失う。
ぎりぎりと喉は締め上げられ彼の身体は空中に持ち上げられた。
指の食い込む喉に、意識は遠のき力が抜けていく。
手にしていた剣が大地に落ちた。
剣を失い所在なげに動く指先は刺客が懐にしていた短剣に触れた。
かっと見開く紅い瞳で、素早く短剣を引き抜き頭上高く上げると両手で握りしめ力一杯振り下ろした。
その剣先は刺客の急所を一撃した。
相手に気づく隙さえ与えぬ一瞬の動作。
刺客はドスンと言う音を立てて地面へと俯せに倒れこんだ。
締め上げていた手から解放された彼は、そのまま木の根元に座り込む。
激しく咳き込みながらも、目の端には絶命し倒れた刺客を映していた。
宝くじ買ったことがありますか・・・・?????
2008-07-15
おかしいなぁ~。確かに、朝、8時~9時ごろにPDAで見た時には上のタイトルでトラバ・テーマがあったと思ったのに・・・・。
しかも、その後接続障害が続出したし(^^;)
どうなっとるんだ?
メンテ情報も別になかったし、でも、変である事は確かだわな・・・。
ま、とにかく記事書いたからのっけとこう。
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宝くじ♪
まぁ、宝くじは夢見る材料ですからね。買いますよ~♪
毎回ではありませんが、2,3年毎に思い出したかのように数回立て続けに・・・とか。
買って何をするかと言えば特に何もしないんですね。
買ったその時に、いろいろ幸せな空想をするだけで後は適当な場所に放置されています。
この間、片づけをしていたら5,6年ほど前に買ったジャンボ宝くじが出てきましたね~。
それ以外にも10年ものとか、2年ものとか・・・。寝かしてどうするっ!
結果を調べたくなりましたが、宝くじの有効期限は1年間。
とても調べられそうにありませんのでそのまま封をしたまま捨てられました。
そういえば去年の年末に買ったジャンボ宝くじもどこか本棚に置いてありましたねぇ~。
4束買ってますね。バラ、連番、バラ、連番と。
もう半年以上経過してますねぇ。また1年経って期限切れでしょうかね(^^;)
つまりわたしは当たる事を期待していない。
ただ、その場で夢を見たいから買うようです。
しかも夢は買ったその一瞬だけ(笑)
この間凝ったのは、スクラッチです。
思い出して削ってみたら2000円当たっていたので持っていったのですが、期限切れでした(苦笑)
もう買うなよ・・・自分。
その分おいしいものを食べた方が有意義じゃね?
でも、夢見るんが好きなんだよなぁ。
・・・と言う事で相変わらず霞を食べて生きています・・・。
【たんぺん】 俗物 一心の見る夢
2008-07-16
宝くじ買ったっ!
へっへっへ、3億円。当たったら何をしてやろう。
そうそう、近くにいい出物があったな。
庭付き一戸建て。中古だけども6600万円。即金で買えるぞ。
手数料、その他を入れても1億円もあればいけそうだな。
何よりもいいのが立地条件だ。
ここよりも動物病院に近い。具合の悪い犬を5分も歩かせずに済む。
あそこなら家を出て病院まで2~3分でつく事だろう。
それに庭があるのがいい。
家庭菜園も出来る広さときたもんだ。おまけに駐車スペースが2台。
駐車スペースなぞいらんから、それを潰して、全部を犬の為の遊び場に変えれば運動不足も解消出来る。何よりも雨の日にずぶ濡れにさせなくても済む。
蒸し暑いのにかっぱでくるむのは可哀そうだった。
和室?ネコに和室は向かない。ビジュアル的にはネコには和室と縁側だが、やはり畳じゃ不衛生になる。張りかえなければならないな。
ふむ・・・・改装に結構使いそうだが・・・、それでも余裕だ。
1,000万はお世話になった動物病院へ設備投資用に出資しよう。
え?
慈善団体への寄付?
しない、しない・・・。
まずは自分の身の回りを整えなければ。3億なんてあっと言う間になくなる。
ああ、そうだ。歴代のネコたちのお墓も建ててあげたいし。
さて、残りはどうしようか・・・・。
貯蓄・・・・と言ってもこのご時世だ。何の足しにもなりはしないが、自分に何かあった時、犬ねこの面倒を見てくれる人への後見人費用は置いておかなければなるまいし・・・・。
2~3,000万くらいでいいかな?
その分は別貯金しとかないと。
後は・・・後は、ゆっくり考えよう・・・・。
そうだ、とりあえずはエアコン、修理しよう・・・・。
暑い。
いや、いっそ新型エアコンにした方が消費電力少なくて済むし。
宝くじ当たったら、まずはエアコンだな・・・・・。
エアコン・・・涼しいだろうなぁ・・・・。
Zzzzz・・・・・。
そして、今日も幸せな夢を見ながら安眠する。
俗物、ここに極まれり・・・・。
第528回「アイス派?カキ氷派?それともシャーベット派?」
2008-07-16
今回は三択ですね。
何だか犬の毛色を聞かれた時のことを思い出す。
赤・虎・白のどれが好き?
赤には赤の、虎には虎の、白には白の良さがある。
まぁ、そういうことですわ。
その時々によってアイスが良ければかき氷の時が良く、はたまたシャーベットの時もある。
この暑い季節にはシャーベットですかね。
そして、日差しの中で食べるにはかき氷がいいです。
部屋の中でエアコンきかせてまったり食べるにはアイスがいいです。
昔・・・最近もまた見るようになってきたけれどもメロン型の容器に入ったシャーベットが好きでした。
オレンジの容器とかその他にもあるのに気がついたのは大人になってからですが。
昔のアイスはクリーム成分とでもいうのでしょうか、滑らかさがなくてシャリシャリ感のあるアイスが多かったです、そうかと思えばいやにねっとりとしたものがあったりして。
最近のアイスはおいしいですねぇ。
実は、あまり食べませんが。
たまに食べるからこそおいしいっ!
冷凍庫にはいつか食べてもらう日を待ってバケツアイスが眠っています。
さて、前回アイスの話題が出た時はまだ5月かそこらでそれほどの暑さでもなかったのですが、今回は完璧に”夏”です。
あの時は”がりがりくん”なるものを試してみましたが、あまり感動を味わえませんでした。しかし、今ならその真価を発揮しそうです。
よし!
コンビニで買ってこよう。
でも、今日はダメ・・・・。
やってしまった・・・・・。
軽い食中毒・・・・・・。
・・・・・・・・・。
げろげろげろ~な最悪気分。
暫くモノ食うの怖いなぁ(泣)
第533回「お給料・おこづかい日前にやっちゃう節約は!?」
2008-07-17
お給料日前にやっちゃう節約・・・・・。
実はお給料日を心待ちにした事がない。
うーん。
多分働き始めた頃はあったと思うけれどもそんな昔の事は覚えていないし、記憶にある頃からは給料明細さえ見たことがないという・・・。
ちゃんと明細見てくださいよ~。とたまに営業に怒られていた。
そして、わかりました。○○さんの給与計算は誤魔化すように経理に言っときます。
・・・・とまで言われても見なかった。
だって、間違いに気づいたら、やっぱ気分悪いし、知らなければ幸せ?みたいな・・・・。
間違ってる。それ間違ってる・・・と自分でも思いながら、そのまま来ています。
この間、10年分くらいの明細の封切って整理しました♪
給料日を待ってお金を引き出しに銀行に行ったこともない。
なので、特別にお給料日前にやっちゃう節約ってないです。
・・・・と言うか、ずっとお給料日からカツカツで暮らすので間際になってどうこうする事がありません。
自分の中でこの日が給料日って区切りがないですねぇ。
毎日は、常に昨日の繰り返し。
トータルで見ると結局一緒だし。
収入以上に支出を増やせる訳もなし。
よって特別な節約なし!
うん、間際になって困らない幸せな人生だ(笑)
【短編】大地のレクイエム 4回
2008-07-18
瞳が揺れる。彼を掻き抱くように集まるそれに身を委ねた。
既に残照すらなく陽は沈み、代わりに月明かりが周囲を照らし出す。
額の傷に手をやり血を拭うと、やっと彼は立ち上がった。
落とした剣を拾い上げる。
研がれた刃に映る自分に目を背け、納めるべく鞘に剣先を当てる・・・が、その手が止まった。
再び構えるように柄を握り直す。
草むらの一点に、鋭く殺意に満ちた視線を移す。
剣先で葉を払った。
そこにいたのは出くわした出来事に動くことの出来なくなった、ただの里の民。
「ひえぇぇ・・・」
突きつけられた切っ先に、悲鳴をあげ後ずさる。
彼の殺意は消えた。
地に向け下げられる剣先。
青白い月光が民の、その顔に表す恐怖を更に際だたせる。
彼は鞘に剣を納めると、困ったような顔をして動かない民に手を差し出した。
しかし、己に危害が及ばない事を知った民は激しくその手を打ち払い叫んだ。
「人殺し!早く戦場(いくさば)へ帰れ!」
向けられる軽蔑の眼差し。
研ぎ澄まされた刃より鋭くその言葉は彼の胸を抉る。
『ヒ・ト・ゴ・ロ・シ?』
走り去る民の背を見つめながら、その一言が彼の頭を占める。
腰に携えた剣に手をやり頭(こうべ)を振ると、その場を後にした。。
彼は寝台の上に横たわっている。
かざした手を見つめた後、顔を覆う。
彼の心には里の民の姿が現れては消える。
恐怖する顔。蔑みの言葉。決して交わる事のない思い。
殺さなければ殺される。
殺さなければ守れない。
殺さなければ・・・・・。
里の民の視線に葛藤を繰り返す。
彼の周りを守り続けるものの気配が漂う。
・・・が、彼の心に弾かれて近寄る事が出来ない。
何をも寄せ付けぬ深淵に沈み込む心が睫毛を濡らす。